マーケティングは現在、企業活動の中ではなくてはならない活動の一つになりました。その業務内容は、顧客が求める商品・サービスを創造し、その情報をその商品・サービスを求めるユーザーに届け、本当の価値を知れるようにすること。

しかし言葉を知っているだけですと、「市場調査」や「認知度調査」などの言葉が先行し、実際の役割について理解している方は多くはないのかもしれません。私も以前はそうでした。

そこで今回は、私自身の復習もかねて、企業内でのマーケティングの役割についてご紹介していきます。

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なぜ企業活動において重要なのか

ある日、営業先の社長さんに会社の商品力について伺っていると、
「うちの商品は関東で一番売れている」と僕に熱弁していました。

回答が抽象的でしたのでさらに情報を引き出すため「売れる秘訣」について聞いたところ

  • 「(家具関係の商品は)商品の通気性がいい、夏は涼しく冬は暖かくしてくれる」
  • 「社員の対応力がいい」
  • 「営業の対応スピードが速い」
  • 「価格が他より安い」

などの解答が返ってきました。確かに売上を上げるという観点から考えると間違っていないと思います。しかし、マーケティングという観点から考えるとどうでしょうか。

この回答にはマーケティングの要素が存在していない

マーケティングの本来の役割は、前述の通り顧客(ユーザー)を理解し、求められる商品を提供することが前提です。

社長さんが言っていたことの真意はわかりませんが、自覚している問題点がなければWebマーケティングの提案の話を聞こうと思わなかったでしょう。
マーケティングの必要性は理解していたものの、何から手を付ければいいのかわからなかったのかもしれません。

企業のマーケティングの役割は多岐に渡る

「顧客を理解し、求められる商品を提供する」

これは言葉にすると簡単ですが、行動に移すとなると難しいですよね。まずは役割を知って分析していきましょう。

対顧客との役割

対顧客との役割では「コミュニケーション」を大切にする必要があります。
これは直接話をして行うコミュニケーションだけを指すものではありません。

自社のサービスでマーケティング活動を行う際、通常4C4P、SWOT分析などのフレームワークを適応しますよね。これらのフレームワークは同時に顧客が何を求めているかの糸口をつかむことができます。

KWの検索Vol、アクセス解析、バズ記事、ニュースなど、業界に関する情報を常に収集し、顧客が何を止めているか理解し、PDCAを常に回していきましょう。
そうすることで、現在の市場内で求められている商品/サービス、次に求められる商品/サービスが何かを理解できるようになります。

また、メルマガやマーケティングオートメーションの管理・運用がマーケティング活動という記事もありますが、あくまでマーケティング活動の一環として、それらの手法が取られていることを忘れないでください。

対社内との役割

社内での役割は、

  1. 営業への情報共有
  2. 市場性の調査・共有
  3. 人材戦略
  4. 商品開発

などがあり、さまざまな部署に関連してきます。

営業は顧客との窓口であり、会社の顔にもなりますよね。その営業が新しい情報を持っていなければ、競合他社との競争に負けてしまいます。

そのためにも営業に新しい情報を共有することも重要な役割の一つ。
クライアントとの契約で納品している商品・サービスの市場性、商品の将来性など、顧客が求めている商品・サービスがどのようなものかを、営業から情報提供してもらう必要があります。

つまり、マーケティング担当の役割は、常に情報収集のためにアンテナを張り巡らせ社内にアウトプットすることも大切です。

市場性がどのように変動しているか、またその情報をさまざまなメディアで見て、どのような意見が交わされているかを考えることも大切な業務の一つ。今後の業界内での展望や変化などの情報収集だけでなく、情報の真偽を見極め、今後の企業活動について考えることも必要になってきます。

つまり今後、会社がどのような企業活動をしていくべきかなど、経営とも直結する情報を取り扱うこともあります。

会社の人材は、その会社が保有する資本の一つ。つまり、会社は人で成り立っています。技術や知識・経験はその会社が保有するものでもありますが、使うのは所属する従業員ですよね。
その知識や技術は使いこなせなければ意味がありません。つまり、使いこなす人材、または使いこなせる可能性のある人材を採用しなければいけません。

今後、どのような知識が求められ、どのような商品/サービスを販売できるようにしなければいけないのか、情報収集しているのはマーケターですよね。

マーケターは、一概に対クライアントだけの業務というわけではありません。業務の幅は人材採用にも関係してきます。

会社の商品はグロースハックの観点から考えると、初期段階では「10人に売れる商品」にしなければなりません。

つまり、10人に売れれば100人にも売れる、100人に売れれば1,000人にも売れるという考え方になります。もちろん、社内の体制や仕組みは顧客数に合わせて整える必要がありますが、基本的な考え方としてはこのような考え方になります。

売れる商品/サービスにするには、求められる商品にしなければなりませんが、その商品を作るのが商品開発、どんな商品が求められるかを調査し商品開発に伝えるのがマーケターとなります。商品開発部にもマーケターを在籍させたり、マーケティングの業務を担当する人材を配置するケースが大きくなっていますが、営業から情報を収集し、商品開発に伝達するのがマーケターの役割ですよね。

つまりマーケターは世情から求められる商品を生み出す役割も担っています。

持っておきたい考え方

これば僕がWebマーケティングの会社に在籍していたときに業務を遂行する上で感じた主観的な意見の一部です。
参考にはなると思いますが、これだけではないかと思います。根本的な考え方を理解してください。

マーケターは情報を使って利益を生み出すことが重要なミッションの一つ。
マーケターは、世の中で求められている情報の真偽や有用性を理解し、何から始め、誰にどのように売るかを判断し、会社を育てる必要があります。「

その情報の価値は計り知れない利益を生み出すものの一つになる可能性も。
情報収取を怠らず、常にインプットとアウトプットを繰り返し、トライ&エラーを恐れず実践していきましょう。

マーケターが企画のMTGに参加するとき、出てくる意見はおそらく抽象的なものが多くなってきます。
それはクライアントからの要望、社内の課題会議、次期施策のMTGなど、状況はさまざま。上げられた議題の問題点を把握し、PSF(Problem Splution Fit)の考えに基づき、「問題・課題点は何か」「解決方法は何か」「その解決方法は、本当に正しいのか」などを洗い出します。

問題・課題点が正確に把握できなければ、正確な解決方法を取ることができず、正しい解決方法が取られていなければ求められる成果を出すことができないという考え方であり、もしまだ間に合うようであれば一度この考え方に基づき現状の施策を見直すようにしてください。

もしかしたら、その解決方法では利益が出ないかもしれませんよ。「利益が出なければサービスは継続しない」という基本的な考え方は忘れないようにしましょう。

私がもっとも多く直面したものとしては、数字から物事を数字で判断していないという状況。Webマーケティングの企画で残念なことになっているのは主観で物事を判断していること。
「なぜこの解決方法が取られているのか」「どうなったら成功といえるのか」「目標は何か」「改善しなければいけない状況はどういった状況か」「現状はどうなっているのか」など、多くの場面で数字を活用することが可能です。

しかしながら、クライアントや社内の新人に対してこのような質問をすると「なぜなら〇〇だからだと思います。」「〇〇だからじゃないでしょうか」というように、主観的な回答が返ってくることがあります。
こういった質問の場合、マーケティングの役割を担っているのであれば数字で判断しなければいけないのではないでしょうか。回答に分析した数字が介在していれば話は別です。

僕はこういった回答が返ってきた場合、「思うかどうかの主観的な意見は聞いていません。実情を教えてください。」と返答するようにしています。疑問文に疑問文で返すのは置いといて、これは「客観的な情報が含まれた回答が求められている」ということです。もし、これから回答する立場になるのであれば、すこし意識してみてはいかがでしょうか。

まとめ:

マーケターの役割はざまざまな部署や仕事に影響してきます。

もし、これからマーケターの仕事をするのであれば、考え方の一つとして参考にしてみてください。仕事の大半は「利益を出せるのか」というところです。私はこの根本的かつ基本的な考えをマーケティングという役割で考え、企画の立て方も所属する会社の仕組みも変えてきました。

理解は得られないかもしれませんし、疎まれるかもしれませんが、実績が出たとき達成感は計り知れませんよ。

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